腰痛症

レントゲンで異常がなく、腰の痛み以外の症状もないものを「腰痛症」と言います。デスクワークや運転など長時間前かがみ姿勢をとる作業や中腰の姿勢での作業、運動不足などで関節や筋肉、周辺組織が凝り固まり、こわばったような重苦しい痛みを感じるのです。

腰痛症がある状態で急に姿勢を変える動きをきっかけに激痛に襲われるのが「腰痛捻挫」、いわゆる「ぎっくり腰」です。急性期は安静にし、回復してきたら腰痛予防体操などを日常的に行うようにする必要があります。整形外科では、再発予防の運動指導や姿勢の取り方の指導も行っております。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨の組織がスポンジ状になってしまう、加齢とともに進む病気で、住吉の整形外科でも多くの患者さんがおります。骨粗鬆症で生じる腰痛は、骨粗鬆症でスカスカになってしまった脊椎、腰椎や胸椎がつぶれてしまうことで生じるのです。尻もちをついたり、転んだりして腰椎や胸椎が衝撃を受けてつぶれることもありますが、日常生活の中で徐々につぶれていく場合もあります。

圧迫骨折後は変形性脊椎症や脊柱管狭窄症を引き起こすこともありますので、勢いよく座らない、転ばないなどの配慮が必要です。

腰椎椎間板ヘルニア

脊髄を取り囲むように、短い筒状の骨「椎体」がいくつも重なってできているのが脊椎です。脊椎の骨と骨との間には、クッションの役割をする椎間板という軟骨組織があります。この椎間板が損傷すると神経が圧迫されて、下半身にビリビリとした痛みが走る坐骨神経痛が起こるのです。子供や若い人にも多くみられる腰痛の一つでもあります。

変形性脊椎症

加齢とともに椎間板の水分が失われ、椎体や椎間関節が変形して起きる病気です。朝起きた際に痛みやこわばりがあって腰を伸ばせない、常に腰に鈍い痛みが続くなどの症状が現れます。椎間関節炎や腰痛、坐骨神経痛も生じることがあるのが特徴です。

腰部脊柱管狭窄症

椎体や椎間関節の組織が厚くなり、馬尾神経の通り道が狭くなる進行性の病気です。徐々に神経を圧迫するようになり、腰や下半身の痛みが生じます。長く歩くと足が前に出しにくくなり、前かがみになってしばらく休むとまた歩けるようになるのが特徴です。中高年になって発症することが多い病気でもあります。

脊椎分離症およびすべり症

椎体の後方にあるとがった骨「椎弓」の突起の細いところが分離して、腰痛が生じます。腰をそらした際に痛みを強く感じてしまうのです。もともとの素因もありますが激しい運動がきっかけになることが多く、子供や成長期のスポーツ選手に多くみられます。放置していると脊椎すべり症に移行してしまいますので、早めに治療することが大切です。

その他

がんが骨に転移したり、子宮筋腫などで腹部から腰部にかけ圧迫されたりすることで腰痛になることもあります。膵炎、胆石、尿路結石などの痛みは腰痛と間違えることがあり、感染症が腰痛の原因になることもありますので、長引く腰痛、急激な腰痛がある際には整形外科に相談しましょう。